2026年2月3日 知事記者会見

1 令和8年度当初予算案を発表/一般会計5,321億円

 知事は2月3日の記者会見で、令和8年度当初予算の概要を発表した。

令和8年度予算は、「新たな世界基準・価値への挑戦」、「県民生活の更なる強靱化」、「スリーアップの好循環の加速化」の3つのテーマを重点項目とした。予算規模は、一般会計で過去最大規模となる約5,321億円程度としている。

会見では、令和7年度2月補正予算での経済対策と、来年度の組織体制などについてもあわせて発表した。 主な内容は次のとおり。

○令和8年度当初予算

【新たな世界基準・価値への挑戦】

(1)水素社会の実現

・今後の水素技術の国際実装を見据え、制度や運用面の課題を議論する「国際水素サミット」を、令和8年10月に北杜市で開催する。

・水素関連技術の社会実装を加速するため、産官学連携によるコンソーシアムを新設するとともに、北杜市などで「実装知」を世界に発信する拠点整備に向けた調査を実施する。

(2)富士トラム

・昨今の国際情勢や技術の高度化を踏まえ、国内・欧州製車両の可能性も視野に入れた車両選定や安全対策、運行管理システムに関する追加調査を実施する。

・富士山五合目の再整備や火山防災対策を進めるため、電気・通信インフラ整備に向けた基本設計経費を計上する。

(3)二次交通の高度化

・市町村が実施する公共ライドシェアや共同配車、自動運転タクシーなど二次交通の実証事業への支援を強化し、地域内交通の在り方を検証する。

・空飛ぶクルマについて、リニア中央新幹線との連動を見据え、リニア山梨県駅周辺における離発着場の候補地や施設要件の調査を行うとともに、デモフライトを実施する。

(4)緑化100年構想

・百年先の山梨を見据え、リニア山梨県駅周辺を起点に市街地と自然をつなぐ連続性のある都市緑化を進めるため、長期的な指針となる「山梨緑化100年構想」を策定する。

【県民生活の更なる強靱化】

(1)空き家を活用した住環境の整備

・山間地域で高まる移住や山村留学のニーズに応えるため、地元自治体と連携し、空き家を活用した住環境の整備を進める。

(2)安定的な食料支援体制の構築

・生活困窮世帯の子どもを対象とした食料支援について、民間団体と連携した持続可能な仕組みづくりを進める。

・物価高の影響を受けるこども食堂に対し、臨時的な食材提供などの支援を行う。

(3)外国人材の受け入れ

・外国人材の受け入れと定着を進めるため、企業との適切なマッチングや、帯同家族への日本語教育を行う企業への支援を強化する。

・人手不足が深刻な介護分野において、介護福祉士資格の取得支援や、介護施設が行う住環境整備の取り組みを支援する。

(4)国際保育

・幼少期から多様性を育む国際保育を推進するため、専門家による研究会を設置するとともに、専門コーディネーターを配置し、外国人親子と日本人親子がともに成長できる環境づくりを進める。

【スリーアップの好循環の加速化】

(1)豊かさ共創スリーアップ

・「豊かさ共創スリーアップ」の認証企業への設備投資支援や、県融資制度の優遇に加え、企業の生産性向上につながる新たな支援策を順次導入し、企業の経営力と人材育成の強化を図る。

(2)キャリアアップ・ユニバーシティ

・県内企業のニーズを踏まえ、業種や業界に特化した専門講座や階層別の講座を新設するとともに、産業技術短期大学校と連携したオーダーメイド型の訓練を実施する。

(3)中小企業の設備整備等の支援

・中小企業の生産性向上と経営負担の軽減を図るため、設備の導入・更新や、改修、経理事務の効率化に対する新たな補助を行う。

・小規模事業者が補助金を活用しやすくなるよう、国や県補助金の申請を専門家に依頼できる新たな支援制度を創設する。

(4)ケアラー支援

・介護離職の防止と労働参加率の向上を図るため、企業向けセミナーやアドバイザー派遣により、仕事と介護の両立を支える職場文化の定着を進める。

・ワークサポートケアマネジャーの養成を継続するとともに、企業への派遣・活用を促す新たな取り組みを開始する。

○2月補正予算

物価高騰に負けない県民生活と産業基盤を支える強固な土台を築き、物価上昇を上回る持続的な県民所得の向上を実現することを基本方針とし、「賃金水準の引き上げ」、「生産性の向上」、「労働参加率の向上」の3つの観点から取り組みを進める。

主な内容は次のとおり。

(1)賃金水準の引き上げ

・賃上げに前向きな企業を対象に、価格転嫁や新事業展開などの課題解決に向けて専門家を派遣し、賃上げ原資の確保を支援する。

・スリーアップの好循環への参画を促進するとともに、「キャリアアップ・ユニバーシティ」に非正規雇用者向け講座を新設し、働き手のスキル向上と賃上げを支援する。

(2)生産性の向上

・企業の賃上げを後押しするため、中小企業の生産性向上に資する設備投資やDX導入を支援し、業務効率化や事業基盤の強化を図る。

・幅広い業種を対象に、省エネ設備や再エネ設備の導入を支援し、経営コストの削減につなげる。

(3)労働参加率の向上

・女性や非正規雇用者の就労機会拡大を図るため、県内企業で需要の高いデジタル人材や経理人材の育成から就労までを一体的に支援する。

・一定の賃上げを行った中小企業を対象に、柔軟な働き方の導入や職場環境の改善を支援し、誰もが安心して働ける環境整備を進める。

○組織体制

・人口減少下における持続可能なまちづくりを目指し、住環境や介護、物流などの生活サービスの安定に向け、新たに「地域デザイン・新交通基盤推進局」を設置する。

・水素製造技術の実装と運用を推進し、国際水素サミットを成功させるため、特別職の「水素戦略統轄官」を設置する。

2 水素暖房機でシャインマスカット栽培/カーボンフリー農業第2弾

 知事は、「やまなしカーボンフリー農業」の2つ目の実証試験として、グリーン水素を燃料とする農業用暖房機を活用した栽培試験を開始することを明らかにした。昨年7月に始めた「有機薄膜(はくまく)太陽電池」の実証試験に続く取り組みとなる。

今回の実証では、新たに開発された水素燃料の農業用暖房機を果樹試験場の加温ハウスに設置し、シャインマスカットの加温栽培を行う。従来の燃油による暖房に代わり、水素を活用することで、燃料価格や国際情勢の影響を受けにくい農業経営の実現を目指す。2月9日には現地で水素暖房機の点火式を行う。 知事は、「まだまだ技術の実証段階ではあるが、エネルギーをできる限り自給自足して、安定した農業経営ができる第一歩となるよう、取り組みを進めていきたい」と述べた。

3 県と全市町村、電子契約を共同導入へ/全国初、令和8年10月開始

 知事は、県内全ての27市町村と共同で電子契約システムを導入し、令和8年10月から利用を開始すると発表した。県と全市町村が同一の電子契約システムを一斉に導入する取り組みは全国で初めてとなる。

電子契約は、紙の契約書を使用せず、インターネット上で契約の合意や締結を行う仕組みで、手続きの簡素化や業務の効率化が期待される。 知事は、「今後も、人口減少に対応しながらも、必要な行政サービスが届けられるよう、市町村と連携しながらDXを推進していく」と述べた。

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山梨県公式ホームページの会見録      
※会見の翌日以降にアップロードされます。 

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