2024年11月18日 知事記者会見

1 12月補正予算案を公表/JR中央線の遅れ防止対策など22億円規模

知事は11月18日の定例記者会見で、12月議会に提案する議案を説明した。

提出するのは、予算案3件、条例案8件などで、補正予算額は一般会計で約84億円の規模。主な発表内容は次のとおり。

① JR中央線の定時性確保

シカとの衝突事故を減らすため、約1億円の補正予算を計上し、中央線沿線全域でシカの動態調査と緊急捕獲事業を実施していく。中央線が遅れると県民生活や地域経済に影響が大きい。今年度は特にシカとの衝突による遅延が多く、県が対策をすると同時に、JR東日本に早急な対応を求めていくとしている。

② 女性デジタル人材の育成・就労支援

6月補正予算で、非正規雇用の女性向けの人材育成・就労支援モデル事業を進めたところ、デジタルスキル研修の応募が定員の6倍となったことから、全員が受講できるために追加予算を確保する。物価高騰の中、非正規雇用の方を中心に経済的安定を早急に図る環境整備を進めていくこととしている。

③ 県産シャインマスカットの輸出拡大

国内初となるAIや光センサーで糖度等を判別する選果機の開発・普及に向け、JAや選果機メーカーと共同で実証を行う。シャインマスカットの競争激化に対し、高品質を保証することで高付加価値化を図り、海外の消費者に高い品質を強力にPRしていく。

2 鉄軌道を断念し、新たに「富士トラム」を提案/富士吉田市などの懸念を受け入れ転換

知事は、富士山五合目の来訪者コントロールのため、これまで検討してきた鉄軌道を断念し、新たに「富士トラム」を提案することを報告した。富士吉田市などの懸念を受け入れ、ゴムタイヤで走る新交通システムに転換するという。

今回の提案では、富士山とリニア新駅を接続し、富士山の玄関口とすることで停車本数を増加させ、リニア新駅をハブに県内各地へ延伸し、県内二次交通網の抜本的高度化を目指すとしている。

富士トラムは電車とバスのメリットを併せ持ち、水素エネルギーの活用も想定。磁気マーカーや白線を認識して走行するが、これら磁気マーカーや白線は法律上も軌道としてみなされるため、軌道法を適用し、一般車両の進入を規制することで来訪者コントロールもできるという。また、大規模工事が不要でコストダウンも実現する。

海外では同様のシステムがすでに運行しているが、県は将来的に国産化も期待しており、国内の地方都市の新たな交通手段としての展開や、県内での産業化も視野に入れていきたいという。

知事は「本議会において、必要な調査に係る経費について承認を得た後、これまでの構想に反対されている皆様を含め、県民の皆様に丁寧に説明し、ご理解を得て参りたい」と述べた。

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※会見の翌日以降にアップロードされます。 

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