2024年9月11日 知事記者会見

1 9月補正予算案を公表/子育て世帯に対する物価高騰対策など22億円規模

知事は9月11日の定例記者会見で、9月議会に提案する議案を説明した。

提出するのは、予算案4件、条例案2件などで、補正予算額は一般会計で約22億円の規模。主な発表内容は次のとおり。

1.子育て世帯に対する物価高騰対策

    物価高が続く中、経済状況に関わらず、子どもを安心して育てられる環境を整備し、支援を充実させることが人口減少対策の基本と位置づけ、子育て世帯を支援するために約2億円の交付金を創設していくことを発表した。市町村に対しても早急な財政措置を求めていくとしている。

    2.ケアラー支援

      介護や看病など誰もがケアラーとなり得るため、知事は「介護離職ゼロ社会」を目指していくことを述べるとともに、支援制度や相談窓口の情報を一元化したポータルサイトの構築や、ケアラーの負担や課題把握のための本格的な実態調査を進めていくための予算を計上していくと発表した。

      3.認知症予防

      認知症は自立生活を困難にし、家族の負担増加や介護離職の要因となるため、その予防が重要であると述べ、東京大学と連携し、上野原市で認知症予防の実証事業を実施していくことを発表。地域資源を活用し、ストレス管理と認知症予防の関係を検証し、認知症予防の新しい標準モデル「やまなしモデル」を構築していく方針を発表した。

      2 プレコンセプションケアを本格的始動/将来の妊娠・出産を考える事業を展開

      プレコンセプションケアとは、将来の妊娠・出産を考えながら、女性とパートナーが自分たちの生活や健康に向き合うことをいう。知事は、プレコンセプションケア事業を本格的にスタートさせたと発表した。職域検診などで希望者全員が受診できるのは全国初。主婦やフリーランスにも制度を活用することができることとしている。

      県では、11日よりプレコンセプションケアへの理解を深めるためのオンラインセミナーを開始。19日にはキックオフイベントも開催し、生殖医療の第一人者である山王病院名誉病院長の堤治氏をはじめ、不妊治療経験のあるプロゴルファー東尾理子さん、山梨大学医学部産婦人科教授の吉野修氏が講演するという。

      セミナー受講者の中で希望者は「プレコン健診」も受診が可能。18歳から39歳の女性が対象で、妊孕性を含めた健康状態を確認することができるという。健診後には、必要に応じて医師と個別に面談もできることとしている。

      なお、全ての希望者が職場健診や地域の産婦人科医で受診できるが、これは全国初だという。知事は「女性が理想とする人生を歩めるよう取り組んでいく」と述べた。

      3 弾丸登山者95%減少/富士山登山規制で大きな成果

      知事は、今シーズンの富士山登山規制により、登山道の混雑緩和や弾丸登山の激減など、富士山の安全登山で大きな成果があったことを報告した。

      今シーズン開始した規制により1日の登山者数が4,000人を超えることはなく、昨年比で18%減少。特に夜間の弾丸登山者は95%減少したという。さらに、救護相談件数や救急搬送者数も大幅に減少し、安全登山の効果が数字上も明らかになった。地元関係者からも規制の効果を実感する声が多く寄せられたという。

      一方、規制間際の「駆け込み登山」や「軽装登山」、静岡県との統一的な規制実施などをめぐっては課題があったとしている。

      知事は、「来シーズンに向け、課題への対応や、一層円滑な規制の実施のため、国・静岡県・地元関係者と緊密に連携し、必要な見直しについて検討していく」と述べた。

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      山梨県公式ホームページの会見録      
      ※会見の翌日以降にアップロードされます。 

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