2022年5月26日 定例記者会見

① 6月議会提出予定案件 ―コロナ対策と自殺防止対策を推進

 長崎幸太郎知事は26日の会見で、6月定例県議会に提出する案件について説明をおこなった。

 補正予算の規模は112億円であり、特に「新型コロナ対策」と「自殺防止対策」に注力していく姿勢を打ち出すものとなっている。

 この補正予算案を審議する6月定例県議会は、6月2日に開会される予定。

補正予算案の主な項目

【新型コロナ対策】

▽ホームケアの利用が当初の想定を上回ったため、感染拡大時にも対応できるようホームケア事業費の増額をおこなうほか、衛生環境研究所のウイルス検査棟の整備をおこない検査能力の拡充を図る。

プレミアム食事券の利用期間の8月までの延長による飲食需要の喚起

グリーン・ゾーン宿泊割りプレミアムツアーの造成JRと連携した観光キャンペーンにより観光需要の回復など、県内経済の再生に向けた施策を盛り込んでいる。

▽富裕層向けの日本酒やワインのプロモーション、フランスレストランウィークと連携した美食のPR東京ガールズコレクションの本県開催などにより、県産品のブランド強化を図り、コロナ禍からの反転攻勢への期待を高める。

【自殺対策】

▽本県の自殺死亡率が全国都道府県中の中上位で推移していることや、令和3年度の自殺者数がコロナ前を4.5%上回っていることを受け、今回の補正予算は自殺対策にも力が入ったものとなった。県が独自におこなった自殺に関する調査分析の結果を元に、自殺を決意する状況にならないよう上流対策に注力する。

▽まず、自殺リスクがある方を支えるためのゲートキーパーの養成に加えて、社会的孤立を防ぐためのひきこもり支援団体への助成ヤングケアラーと支援期間をつなぐアドバイザーの配置などをおこなう。

▽また、人と人のつながりを作るため、男性介護者の孤立防止対策や、スポーツによるつながりを作るスポーツ無尽などにも取り組むこととしている。

▽自殺リスクの低減には安定した雇用が必要という視点から、働き手のスキルアップ、企業の収益改善、賃金としての還元という好循環を目指して、人材育成に関する調査研究もおこなっていく。

【そのほかの項目】

米国産のスモモ・モモの現地実態調査

▽国の予算内示に伴う50億円の公共事業費増額など。

 

② 県立高校におけるいじめ問題の検証結果 ―安心して学校生活を送れるように

 知事は、昨年11月のいじめ被害生徒の保護者からの申し入れを受けて設置した第三者検証部会から、検証結果の報告を受けたことを明らかにした。

 検証では、学校側が生徒と保護者からのSOSを十分に受け止めることができず、生徒や保護者の声に十分に応えてこなかったという指摘がなされた。

 知事は、教育委員会や学校の対応が不十分だったと謝罪し、教育委員会に対しては、生徒が安心して学校生活を送れるよう改善を指示したことを明かした。

③ リニア山梨県駅と航空路の交接に向けた検討に着手 ―リニア開業効果を最大化

 知事は会見で、リニア駅と近接する場所で小型旅客機やプライベートジェットの離発着を可能とすることについて検討すると表明した。

 実現すれば、東京への航空移動需要の取り込みや、リニアの品川−甲府間の需要拡大、山梨県駅発着本数増などが期待でき、リニア開業の効果をさらに拡大することが期待される。

 現在羽田空港では小型旅客機やプライベートジェットの離発着に制約があることや、品川までの所要時間は羽田空港からとリニア山梨県駅から同程度であることなどから、リニア開業が近づく今、検討する価値は十分にあるとしている。

 知事は「道路網の整備など、これまでも「開の国山梨」の実現を図ってきたが、航空路も一体となったプラットフォームを実現すれば、本県の「豊かさ創造」に極めて有益である」と、期待を語った。

 まずは、有識者や専門家による研究会を立ち上げ、技術面や環境面、社会経済への影響などを研究し、可能性を模索していく。

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