2022年11月14日 定例記者会見
① 新型コロナウイルス感染症対策 ~第8波に向けた県の対策を公表~
知事は14日の会見で、病床使用率が30%を超え、感染者数の増加傾向も顕著で短期的な解消が困難であることから、グリーン・ゾーン認証のレベル2に移行することを公表した。レベル2では飲食店などに対し、「パーティションの設置」、「大皿料理の禁止」、「お酌の禁止」などの対策が求められる。
また、高齢者施設などでクラスターが発生し、専門家会議でも「新規感染者数の増加スピードを考慮すると入院病床を十分に確保することが望ましい」との意見があることから、県は病床確保フェーズを現在のフェーズ2(188床確保)からフェーズ4(387床確保)に引き上げることとした。
課題となっている新型コロナとインフルエンザの同時流行について、県は試算結果を発表した。県内ではピーク時に1日あたり4900人の発熱患者が発生する可能性があるものの、県内の発熱外来で診療可能な患者数は3800人であるため、1100人ほどが診療を受けられない可能性がある。対策として、診療可能な人数を増やすことと、無症状や軽症など受診の必要がない方は受診を控えることを軸に、次の「5つの柱」で対策を講じるとした。
Ⅰ 外来受診・療養の流れの確立(今後、ひっ迫が予見される場合に実施)
・発熱患者のうち、重症化リスクの高い方(65歳以上の高齢者、基礎疾患のある方、妊娠中の方、小学生以下の児童)が発熱外来を優先的に受診。コロナ陽性であれば、医師の判断で薬剤の処方を受けて、重点医療機関・宿泊療養施設・自宅での療養。コロナ陰性であれば、インフルエンザなどの症状に応じて適切に対応
・重症化リスクの低い方は、検査キットによるセルフ検査を実施。コロナ陽性であれば、健康フォローアップセンターに登録し、自宅で療養。コロナ陰性であれば、その旨を伝えた上で発熱外来を受診。症状等に応じた対応を実施。
Ⅱ 相談体制の強化
・受診・相談センターの回線数を、現在の「昼間36回線、夜間12回線」から「昼間60回線、夜間40回線」に拡充。
・子供の発熱は、専門看護師が相談を受ける「小児救急相談ダイヤル#8000」を案内。
Ⅲ 発熱外来の対応力強化
・現在305医療機関を発熱外来として指定しているが、医療機関の増加や診療時間の延長など診療能力を拡大。
・夜間・休日については、山梨大学医学部附属病院に臨時発熱外来を設け対応。
・平日夜間や休日に発熱患者を診療するオンライン診療センターを新設。
・年末年始に開業する発熱外来や薬局への支援制度を創設。
Ⅳ コロナ陽性者の療養態勢の確保
・重点医療機関へのコロナ専用病床の確保と、入院患者の重症化予防のための経口抗ウイルス薬の活用促進。
・健康フォローアップセンターの「健康相談窓口」や、「夜間・休日のオンライン診療体制」の拡充によりホームケア療養を支援。
Ⅴ 高齢者や障害者施設への支援強化
・入所系施設への週1回のPCR検査に加え、通所系・訪問系の事業所でも週3回の抗原定性検査を実施。施設で感染者が発生し、施設内で療養する場合も嘱託医や専門家のサポートと経口抗ウイルス薬などにより治療に万全を図る。
これらの対策に要する7億8千万円余について、知事は本日付で専決処分を行うことも併せて公表した。
また、県の総合対策本部に甲府市長が副本部長として参加するなど、甲府市との連携を強化していくことも明らかにした。
これらの対策を示した上で知事は、「第8波を低く狭いものとするため、基本的な感染対策の徹底と、ワクチン接種への理解と協力をお願いしたい。また、抗原検査キットや解熱剤などをあらかじめ用意してほしい」と県民に呼びかけた。
② 神輿を担ぐ場合のガイドライン ~地域の伝統行事復活に向けて~
知事は会見で、先日の信玄公祭りで実証事業を行った「神輿を担ぐ場合の感染対策ガイドライン」について、参加者から感染者が出ておらず有効性が確認できたとして、正式に適用することを公表した。
ガイドラインでは、参加者の検温や抗原定性検査、不織布マスクの着用などを定めている。
知事は「ガイドラインに沿って神輿を担いでいただき、地域の絆の強化や、伝統文化の継承などに役立ててほしい」としている。
③ 4パーミル・イニシアチブの対象品目を拡大 ~野菜と水稲も対象に~
知事は会見で、これまで果樹を対象としてきた4パーミル・イニシアチブを野菜と水稲にも拡大することを公表した。果樹については、これまでに83件が認証を受け、高付加価値のブランド農産物としての認知が進んでいる。
野菜と水稲では、二酸化炭素だけでなく亜酸化窒素やメタンの発生を抑制する仕組みも取り入れる方針で、今後、中央日本四県で連携して全国に積極的に発信し、農業分野での地球温暖化対策を先導していくとしている。
④ 県立美術館盗難事案にかかる第三者委員会の設置 ~原因究明と再発防止策の策定を1月末までに実施~
知事は、先日の県立美術館収蔵品の盗難に関して、あらためて県民へ謝罪した。関係職員に対し指定管理者の監督不行き届きについて厳重注意を行い、所管部局から指定管理者に厳重注意を行わせたことや、当面の改善策を早急に講じるよう指導させたことも明らかにした。今後、外部有識者による第三者委員会を立ち上げて、原因究明と抜本的な再発防止策の策定を行うことも明らかにし、24日に第1回目の会議を開催し、来年1月末までに報告を受けることにしている。
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⇒山梨県公式ホームページの会見録
※会見の翌日以降にアップロードされます。