2022年12月28日 定例記者会見

 ① 新型コロナウイルス感染症 ~ツインデミックに備えて~

 知事は定例の記者会見で、新型コロナウイルスとインフルエンザのツインデミックが目前に迫ってきているという認識を示した。新型コロナウイルス感染症については、県内の病床使用率は40%程度で推移しているが、6日間連続で1000人を超える新規感染者が確認されるなど、8月下旬の第7波のピーク時に匹敵している。季節性インフルエンザも直近1週間に59人の患者が発生しており、国の基準では流行期に入ったと考えられると語った。

 県は年末年始の診療体制を昨年の2倍に拡充しているが、医療機関にかかりにくい状況も懸念されるため、県民に対して、①マスクの着用、手指消毒や定期的な換気などの基本的な感染防止対策の徹底、②急な発熱に備え、受診可能な医療機関の確認や、抗原検査キット等の事前の用意、③救急車を呼ぶか迷ったときは、119番通報の前にかかりつけ医や受診・相談センターに相談するなど救急車の適正利用、の3点を呼びかけた。

② 全国初のヤングケアラー支援計画を策定

 知事は会見で、ヤングケアラーに特化した支援計画を全国で初めて策定したことを公表した。家庭の状況や育った環境に左右されることなく、すべての子どもが将来への希望や期待を抱き、その実現に向けて挑戦できる社会に向けて、「すべての子どもが夢に向かって挑戦できるやまなし 気づいてつながろう山梨コネクトヤングケアラー」を基本理念としている。

また、今年度のヤングケアラー実態調査の最終報告書をとりまとめ、ヤングケアラーの認知度が、昨年度の15.3%から55.4%に増加したことを明らかにした。これまでは実態を捉えることが困難とされてきたヤングケアラーについて本県独自の捉え方を新たに設定。よりヤングケアラーの実態に近いものと考えており、これを、「山梨発のヤングケアラーの捉え方」として発信していく。

知事は「県民の皆さんがヤングケアラーの問題に関心を抱き始めている。計画で定めた取り組みや数値目標に向けて、支援のギアを一段上げて全力で取り組む」と意気込みを語った。

③ この1年を振り返って 

 知事は会見で強靱化、高付加価値化、基礎条件の充実の「3つのK」に沿って、この1年を振り返り、とくに成果があった施策に触れた。

●強靱化

  • 新型コロナ陽性者が自宅療養できる「ホームケア」の導入などによるウィズコロナへの適応が着実に進展した「感染症に対する強靱化」。
  • 御坂トンネルの事業着手や道路網の整備、流域治水対策や富士山噴火対策などの、「自然災害に対する強靱化」。
  • 山梨県犯罪被害者等支援条例などによる「犯罪・事故に対する強靱化」。

●高付加価値化

  • 重要戦略である「地域プロモーション戦略」に基づき、県産果実の輸出額が大幅に伸びた「やまなしブランドの価値向上」。
  • 高い技術力を持つ県内企業が医療関連分野へ進出することを後押しする「メディカル・デバイス・コリドー構想」の参入企業数が目標を大きく上回り、9月末現在で136社に達するなど「産業の高付加価値化」を前進させたこと。中には先端医療機器製造の新工場を竣工した企業があったことを紹介した。
  • 水素・燃料電池分野で世界最先端レベルにある「やまなしモデルP2G(Power to Gas)」に岸田総理はじめ視察が相次ぎ、「グリーン水素の製造=山梨」が着々と浸透したこと。やまなしモデルP2Gはサントリー白州工場で日本最大級のシステムが導入されることが決まり、東京都や福島県との連携協定も締結している。
  • 野外フェスとして初となる東京ガールズコレクションが山梨で開催され、様々な地域資源をPRし、若い女性を中心に山梨の認知度向上と約10億円の経済効果・SNS上で2万件を超える投稿が1億6千万回超表示されるといった波及効果があったことを公表。3年半ぶりに開催された信玄公祭りで過去最高の観客動員で約10億円の経済効果を上げたことを挙げた。さらに、富士五湖地域の高付加価値化に向けた富士五湖自然首都圏フォーラムを設立したことに触れ、「今後は、国内外の注目を集めるナショナルプロジェクトとして大きなムーブメントを起こし、観光の高付加価値化をさらに進めて薄利多売型からの脱却を進める」と語った。

●基礎条件の充実

1) 4月から25人学級編制を小学校2年生に拡大し、小学校3年生以降への導入を検討している少人数教育

2) ショートステイを特養施設に転換するなどして着実に前進している介護待機ゼロ

 知事は「これらの取り組みを進めるためには安定財源の確保が課題なので、県有地をはじめとした県有資産の価値を最大化させるための努力を重ねていく」と語った。

 今年の漢字として「挑」を選び、「ポストコロナにおいて山梨県は様々な面で全国を先導してきた。そうしたやまなしモデルを示していくために意欲的な挑戦を積み重ねてきた1年間だった」と1年間を総括した。

全文をご覧になりたい場合には、こちらからどうぞ
山梨県公式ホームページの会見録      
※会見の翌日以降にアップロードされます。 

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